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個人再生手続について

住宅資金特別条項付個人再生手続について

◆ 住宅資金特別条項付個人再生とは

 自己破産や個人再生など、裁判所を利用した借金の整理手続を利用する場合、原則として全ての債権が支払免除や減額の対象となるため、抵当権などによって担保されている債権がある場合、ほぼ例外なく担保が実行されてしまい、担保に入れられている建物を失うことになってしまいます。
 とはいえ、そもそも借金の整理は債務者の生活を再建するために行う手続なのに、住む家がなくなってしまっては本末転倒で、生活の債権にも支障が生じてしまいます。そこで、いわゆる住宅ローンと住宅ローンの担保に入っている建物や土地だけは特別扱いして、住宅ローンについてはそれまでどおりの支払いを続けられるようにし、住宅を残すことができる手続ができました。
 それが、住宅資金特別条項付個人再生です。


 住宅資金特別条項付個人再生は、簡単に言えば、
1.住宅ローン以外の負債について、以下の(A)か(B)、どちらか高い方の金額を、原則として36回の分割払いで問題なく支払いきれる見通しが立つことを条件として、
2.住宅ローン以外の負債を、以下の(A)か(B)、どちらか高い方の金額まで減額し、かつ分割払いにすることを決定する裁判所の手続です。
 (A) 再生手続を申し立てる方が所有している資産の総額
 (B) 住宅ローン以外の負債を、負債の総額に応じて、以下の条件で減額した後の金額

   0〜100万円:減額無し
   100万円〜500万円:100万円に減額
   500万円〜1500万円:1/5に減額(=8割カット)
   1500万円〜3000万円:300万円に減額
   3000万円〜5000万円:1/10に減額(=9割カット)
   ※住宅ローンを除く負債総額が5000万円を超える場合は個人再生手続は利用できません

 つまり、住宅資金特別条項付個人再生が裁判所で認められた場合、最終的には、上記の(A)か(B)いずれか高い方の金額を36回で割った金額と住宅ローンの支払いを毎月続ければ、3年後には住宅ローン以外の負債を完済することができるわけです。


○ 具体例
 毎月の住宅ローンの支払いが10万円で、住宅ローン以外の負債が総額500万円、その毎月の支払いが8万円になっている方の場合(所有している資産の総額が108万円の場合)。
         ↓
 住宅ローン以外の負債が500万円の場合、上の(B)で計算すると100万円。(A)の金額は108万円ですから、この場合は高い方の108万円を36回で返済していくことになりますので、裁判所で個人再生が認められた場合、毎月あたり3万円の支払となり、この金額と住宅ローンを毎月支払っていけば良いことになります。
 つまり、住宅ローン以外の負債の毎月の支払いが5万円も減ることになりますので、かなり返済は楽になるのではないかと考えられます。


○ 資産とは
 現金、預貯金、保険の解約返戻金、不動産(不動産が担保に入っている場合は、担保されている借金の残高を不動産の評価額から差し引いた額が資産として計算されます)、自動車、貸付金、債券や株式・会員権等の有価証券、骨董品や宝石貴金属・高価な家具や電化製品等の動産、退職金(おおよそ個人再生を申し立てた時点で退職したとしたら支払われる退職金について、退職日が近い場合は1/4、遠い場合は1/8の金額が試算として計算されます)など。


◆ 住宅資金特別条項付個人再生のご利用が可能な住宅の条件

 ■ 再生手続を申し立てる方が所有している建物であること
 ■ 再生手続を申し立てる 方自身が住むことに使用するための建物であること
 ■ 店舗や事務所部分がある場合、店舗や事務所部分の床面積が全体の1/2未満であること

◆ 住宅資金特別条項付個人再生のご利用が可能な負債や担保などの条件

 ■ 住宅の建設や購入・リフォームに必要となった借り入れ(=住宅資金貸付債権)であること
 ■ 住宅が、住宅資金貸付債権以外の債権の担保となっていないこと
 ■ 共同担保がある場合、共同担保になっている物件も住宅資金貸付債権以外の債権の担保となっていないこと
 ■ 住宅ローンの弁済ができなくなり、保証会社が保証債務を履行してしまっている場合
   →再生手続開始の申立てが保証債務の履行の日から6ヶ月を経過する前になされていること

◆ その他、個人再生手続を利用するための条件・注意事項

 ■ 再生計画で決められた毎月の弁済を継続できる定期的な収入があること
 ■ 個人事業主の方の場合、確定申告を行っていること
 ■ 国民健康保険料や税金の滞納がある場合、行政機関と支払いについての話し合いが済んでいること
 ※ 住宅ローン以外の債権については減額の対象となるため担保が実行されることになります
   →保証人が付いている場合は保証人に請求が行くことになります
 ※ 個人再生手続を開始するとブラックリストに載ります
   →新たにクレジットカードを作ったり、借り入れをしたりすることはできなくなります

◆ 給与所得者個人再生と小規模個人再生の違い

 ■ 給与所得者個人再生での毎月の弁済額は可処分所得で決まる
   →可処分所得は高めに出る傾向があり、小規模個人再生よりも毎月の弁済額が高額になりやすい
 ■ 小規模個人再生の場合、
   債権者の過半数が再生計画に賛成+反対している債権者の債権額が総債権額の半額未満である必要
   →反対する債権者が過半数or反対する債権者の債権額が半額以上の場合、再生計画は認可されません
   →給与所得者個人再生では債権者の賛否は問いません。


住宅資金特別条項付個人再生の手続の流れについて

  1. 1.相談・支払い可能性の調査

    現在の借金の総額や毎月のお支払いの状況、世帯の収入と支出の状況、税金や公共料金の滞納の状況、将来的に個人再生が裁判所が認められた場合に毎月支払うことになる金額を継続的に支払うことが可能な状況であるかどうかなどを総合的にお伺いし、住宅資金特別条項付個人再生の利用が可能かどうかを検討します。
  2. 2.債権者への受任通知の送付

    事住宅資金特別条項付個人再生が利用できると判断した場合、全ての債権者へ受任通知を送付します。受任通知を送付した以降は、住宅ローンの支払いはそれまで通り継続する必要がありますが、それ以外の債権者への支払いは1度停止することになります。また、債権者からの連絡は弁護士宛に行われるようになり、依頼者の方へ直接督促が行われることもありません。
  3. 3.積み立てと申立ての準備

    債権者への支払いが停止している間、裁判所で個人再生が認められるまでは、裁判所で個人再生が認められた場合に毎月支払うことになると予想される金額を、毎月当事務所宛にご入金いただき、積み立てを行っていただくことになります。裁判所は、個人再生を認めるかどうかを判断する際に、この積み立てが問題なく行われているかどうかを最も重要な資料として考慮します。また、個人再生の申立てに必要な書類の準備も行っていただきます。この際、毎月の家計の収支状況を家計収支表として作成していただくことになります。 
  4. 4.裁判所への申立て

    積み立てが問題なく継続され、申立てに必要な書類がそろった段階で、裁判所への申立てを行います。通常は事件のご依頼をお受けしてから半年程度で申立てとなる場合が多いです。
  5. 5.裁判所での手続

    裁判所に申し立てた後は、依頼者の方が裁判所に呼び出され、裁判官と面談をする機会が設けられる場合と(この際は弁護士も同席します)、特に面談などはせずに手続が進む場合があります。その後、まず個人再生の裁判所での手続を開始するという決定が出されて、債権届出や小規模個人再生の場合の債権者の賛否の確認、債務者側からの再生計画案の提出などの手続が行われることになります。裁判所に個人再生の申立てが行われてから再生手続が認められるまでの期間は、通常は半年前後です。
  6. 6.認可決定・弁済開始
    裁判所で個人再生が認められた後は、各債権者から毎月の支払いを行う口座を連絡してもらいます。その後、依頼者の方から直接債権者へ連絡のあった口座に毎月振り込み送金の方法で支払っていただく方法と、弁護士が依頼者の方から弁済のための資金をお預かりして、弁護士から債権者に支払う方法の2通りがあります(弁護士が間に入って支払いを行う場合、別途送金手数料が必要となります)。その後、裁判所が認めた再生計画に決められた期間の弁済を全て遅れることなく完了すれば、個人再生手続は無事に全て終了ということになります(これだけの弁済なら問題なく支払えるという約束で裁判所に申し立てをして認めてもらうわけですから、当然、支払いができないとか、遅れたりする場合は、再生手続が取り消しとなってしまいます)。



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